遠いようで実は密接に関係している 首と骨盤

2015.12.10

首の不調が骨盤~脚まで影響する

スマートフォンやPCの普及により、前かがみの姿勢で長時間過ごす現代人。あごが前に出た状態で首がまっすぐに伸びてしまう「ストレートネック」という症状も、一般的に知られるようになってきました。首の不調は、肩コリや背中の痛みなどと関連づけてよく語られていますが、実は骨盤から下半身かけて全身の歪みも引き起こす要因になるとはあまり知られていません。全身の骨は筋肉が複雑に交差しながらつながっています。歪みは、各筋肉の筋力バランスの崩れでもあります。

「ストレートネック」になると、首の付け根にある脳幹がつまり、脳の働きに影響を与えたり、首の一部の筋肉に負荷が偏ります。その負荷をカバーしようと肩甲骨の間が開いて背中が丸まり、猫背になります。肩甲骨まわりの筋肉がこわばるので、肩が柔軟に動作できなくなり、肩コリなどをもたらします。また、猫背で前に偏った上半身の体重を下半身でバランスを取ろうとし、骨盤が後ろに傾きます。骨盤が後傾すると、今度は膝が曲がったまま前に出て、バランスを取って体重を支えようとするので、膝への負荷が増え、痛みを引き起こす原因にもなります。

 

首のカーブは、体の免震構造のようなもの

正常な首は、首の7つの骨は緩やかに後ろに向かってカーブを描いています。このカーブが健康を保つカギになっています。地震の衝撃を柔軟に受け止めて分散する「免震構造」のように、首のカーブがあることで筋肉が左右前後にバランスをとることができ、身体の1/10ある頭の重さや、体への衝撃を受け止めます。ひるがえっていえば、「ストレートネック」はまっすぐな硬い建物が地震で折れやすい状態になぞらえることができます。首の緩やかなカーブを普段から維持することが大切です。

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